夏の電気代対策リフォーム:遮熱塗料・断熱窓の効果検証

夏の電気代対策リフォーム:遮熱塗料・断熱窓の効果検証

夏場の電気代が高くなる原因は、気温の上昇により冷房使用が増えることにあります。特に屋根や窓からの熱の侵入が室内温度を大きく左右するため、リフォームによってこれらを対策することは効果的です。本記事では、遮熱塗料や断熱窓を使ったリフォームの効果や費用、補助金制度について詳しく解説します。

電気代が高くなる夏の原因とは?

冷房の使用率が跳ね上がる

夏場は冷房機器の使用頻度が高まり、エアコンだけで家庭の電力消費の約6〜7割を占めることもあります。特に日中の暑い時間帯は消費電力が急増します。

屋根・窓からの熱の侵入

外気の熱は屋根と窓を通して室内に伝わります。一般住宅では屋根から約6割、窓から約2割の熱が侵入していると言われており、ここを対策することで冷房効率が大きく改善されます。

 

遮熱塗料とは?効果と注意点

遮熱塗料と断熱窓の違いを比較した図

▲ 遮熱塗料と断熱窓の違いを図解で比較

遮熱塗料の仕組み

遮熱塗料は太陽光(特に近赤外線)を反射して熱の吸収を抑える塗料です。主に屋根や外壁に施工され、表面温度の上昇を抑制します。

遮熱塗料の導入費用と効果

屋根全体に遮熱塗料を施工する場合の費用相場は20〜40万円程度(30〜40m²の場合)。塗装後は屋根裏の温度が10℃前後下がることもあり、冷房効率が向上します。

効果が得られやすい屋根や外壁

特に金属屋根やスレート屋根など熱を通しやすい素材に有効です。外壁でも直射日光の当たりやすい南・西面は効果が高まります。

 

断熱窓とは?断熱・遮熱との違い

複層ガラスとLow-Eガラスの違い

複層ガラスは2枚のガラスの間に空気層を設けることで断熱性を向上させた窓です。さらにLow-Eガラスは特殊金属膜をコーティングし、遮熱・断熱の両方に対応できます。

内窓(二重窓)の後付けも有効

既存の窓の内側にもう1枚窓を設置する「内窓(二重窓)」は、費用を抑えて高い断熱効果が得られます。結露防止や防音効果もあり、人気の高いリフォーム手法です。

 

すぐにできる、冷房効率を上げるちょっとした工夫

設定温度よりも「風量」を意識

冷房は設定温度を下げるよりも風量を強くするほうが効率的な場合や電気代が安くなることがあるそうです。最近テレビやネットでも話題になっていました。温度を風の流れを作ることで体感温度が下がり、冷房設定を下げすぎずに快適に過ごせます。

つけっぱなし運転が有利な場合も

これもメディアなどでよく出ていましたね。短時間の外出時にエアコンをこまめに消すより、つけっぱなしにした方が消費電力が少なくなることがあるそうです。特に高断熱の住宅では顕著です。

サーキュレーターの併用

エアコンの風が部屋全体に回るように、サーキュレーターや扇風機を活用すると効率が高まります。冷気は下にたまりやすいため、上方向への風を送ると効果的です。

カーテン・すだれ・窓用断熱フィルム

日中の日射遮蔽は非常に重要です。断熱フィルムや遮熱カーテン、すだれなどを使って窓からの熱をカットしましょう。

 

実際にかかる費用と回収期間

遮熱塗料の施工費用相場

一般的な住宅の屋根塗装で20万〜40万円が目安です。塗り替え時期に合わせて施工することで、追加費用を抑えることも可能です。

断熱窓のリフォーム費用相場

既存窓の交換で10〜30万円程度、内窓の後付けなら1窓あたり5〜10万円が目安です。窓のサイズやガラスの種類によって費用は変動します。

光熱費削減による回収の目安

冷房効率が上がることで、夏の電気代が10〜20%程度下がる例もあります。年間の電気代が15万円の家庭であれば、約1.5〜3万円の節電効果が期待され、数年で元が取れる可能性もあります。

 

補助金制度は活用できる?

住宅省エネ2025キャンペーン

2025年度も継続予定の「住宅省エネキャンペーン」では、内窓設置や高性能ガラスへの交換に最大2万〜7万円の補助が出る場合があります。遮熱塗料は対象外のケースが多いですが、自治体によっては対象となることも。

キャンペーンの詳細や対象工事、補助金額については、以下の記事で詳しく解説しています。

▶ 住宅省エネ2025キャンペーンとは?補助対象と対応リフォーム一覧

地方自治体の補助制度にも注目

大阪市や各地域で独自の補助制度が設けられていることもあります。申請期間や条件が定められているため、工事前に必ず確認しましょう。

 

まとめ:夏の快適さと節電の両立を

夏の暑さと高騰する電気代に対し、遮熱塗料と断熱窓は有効なリフォーム手段です。初期費用はかかりますが、光熱費削減や住環境の快適化を考えると、長期的には高い費用対効果が期待できます。

冷房の効きが悪い、電気代が高すぎると感じている方は、ぜひ一度リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。