マンションリフォーム、戸建てと何が違う?
リフォームと聞くと戸建て住宅を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、都市部ではマンションにお住まいの方も多く、「今の住まいをもっと快適にしたい」というニーズは年々増えています。
ただし、マンションリフォームには戸建てにはない独自のルールや制限が多く存在します。今回はマンション特有の注意点と、戸建てとの違いをわかりやすく解説します。
マンションリフォームで気をつけたいポイント
1. 専有部分と共用部分の違い
マンションでは、自分の部屋=すべてリフォームできる、というわけではありません。マンションには「専有部分」と「共用部分」があり、リフォームできるのは基本的に専有部分のみです。
例えば、玄関ドアの外側、サッシ、ベランダ、配管の一部などは共用部に該当し、勝手に手を加えることはできません。まずは管理規約でどこまでが専有部分かを確認しましょう。
2. 管理組合への申請が必要
マンションリフォームでは、施工前に管理組合へ工事申請を出すことがほぼ必須です。特に大きな音や振動を伴う工事(水回り変更や床の張り替えなど)は、工事日程や内容の詳細を提出する必要があります。
管理規約には「工事可能な時間帯」「使っていい資材」などが定められていることもあり、これを守らないとトラブルにつながる可能性があります。
3. 防音・振動対策が必須
マンションは上下左右に住戸があるため、防音性を重視したリフォームが求められます。特に床材の選定には注意が必要で、フローリングへ変更する際には「LL-45等級以上」など遮音性能の基準を満たす必要があります。

遮音等級の数値は小さいほど遮音性能が高く、マンションではLL-45等級“以下”が推奨・必須とされるケースが多い。
これを無視すると、階下からクレームを受けるリスクがありますので、専門業者に相談して対応することが重要です。
戸建てとの違いとは?
自由度の差
戸建て住宅であれば、構造的な制約や管理規約がないため、壁を抜いたり、玄関や窓の位置を変えるような大規模改修も可能です。しかしマンションでは構造体に関わるリフォームや外観変更は基本的に不可です。
項目 | 戸建て | マンション |
---|---|---|
リフォームの自由度 | 高い(構造変更・増築も可能) | 制限あり(構造・共用部は不可) |
外観の変更 | 自由にできる | 不可(共用部扱い) |
配管・設備の変更 | 自由度が高い | 共用配管の制約あり |
防音・振動対策 | 比較的自由 | 厳しく制限(遮音等級など) |
工事時の申請 | 不要(自己判断) | 管理組合への事前申請が必要 |
近隣への配慮 | 近隣挨拶程度 | 騒音・振動への高い配慮が必要 |
費用の違い
マンションは配管や電気設備が共用のため、水回りの移動には制限があり、自由度が低い傾向にあります。そのため、希望通りにできないケースも多く、費用が高くなる場合があります。
例えば、キッチンの移動を伴うリフォームでは、配管の経路変更に制限があるため、戸建てよりコストがかさむこともあります。
マンションリフォームの費用相場
目安としては以下の通りです(専有面積60㎡の場合)。
- フルリフォーム(間取り変更含む):600〜1,200万円
- キッチン交換:80〜150万円
- ユニットバス交換:80〜130万円
- 床・壁の張替え(全体):80〜120万円
マンションの築年数や管理規約により制限がかかるため、事前の現地調査と見積もり相談は必須です。
リフォームで快適な「長期滞在型住まい」へ
近年は、テレワークの普及や高齢化の進行により、マンションでも「長く快適に住み続けたい」というニーズが高まっています。
例えば以下のようなリフォームは人気です:
- 段差解消、手すり設置などのバリアフリー対応
- 書斎やワークスペースの新設
- 断熱窓や内窓の設置による快適性向上
- 収納の最適化(造作棚、ウォークインクローゼットなど)
このようなリフォームは住まいの満足度を上げるだけでなく、将来的な資産価値の維持にもつながります。
まとめ:マンションリフォームは「制約」を知れば安心
マンションのリフォームには独自のルールや制限がありますが、それらを理解したうえで適切に進めれば、快適な住環境を手に入れることが可能です。
戸建てと同じ感覚で進めてしまうと、後から「できない」と判明することもありますので、実績のあるリフォーム業者に相談することが大切です。
ファミリー向けの間取り・収納改善については、以下の記事もご覧ください。
マンションでの住み替えや長期滞在を考えている方は、ぜひ当社にご相談ください。